「家具修復というのはどういう仕事ですか?」という質問に簡単に答えると修理屋さんみたいなものですね、と言われることがある。
全く異なるものなのだが説明には時間を要するためそのまま流してしまう場合も多い。
改めて考えてみると修理は技術職、修復は感覚職なのかなと思う。
技術というのは時間をかけて繰り返し訓練をすることによってある程度のレベルまでは身につくものである。
修復という仕事はその技術を持っているというのが大前提でさらに一つの家具と向き合った時にどれだけ想像力を膨らますことができるかが最も必要とされる能力です。
いつどこで作られどういった時を過ごしてきたのか、そういったリーディングの作業の中で材料の癖や破損の原因などを探ります。そして、材料や塗料なども修復後、時間が経過した時にいかに馴染んでいくかを予測し材質はもちろん時代や生産地などもできる限り合わせていくようにします。なので通常、家具修復工房には数百年前から様々な年代のいろいろな種類の木が小さいパーツなどでもストックしてあります。
過去・現在・未来の姿を想像し最高の技術で繋げるのが修復の仕事。これは家具修復に限らず様々な職種でも当てはまることがあると思います。
フィレンツェという場所で培ってきているこの感覚。少しでも共有できる方が増えると良いのですが。。。

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