人気ブログランキング | 話題のタグを見る

新作コインケース完成

日本からのオーダーで去年から少しずつ詰めていたコインケースがとうとう完成。
新規インターネットショップでの商品としてオーダーをいただいていたモノ。
まだ準備中の販売ページが完成次第あらためてご紹介させていただきます。

せっかくなので制作工程をまとめてみます。

新作コインケース完成_f0204955_722154.jpg
ベースとなるのはローズウッド

デザインに合わせてカットして曲面を作り、ステッチ部分は糸にあたりがでないように
段差をつけて下穴をあけます。

新作コインケース完成_f0204955_76063.jpg
木象嵌部分はいつも通りの細かい切り分けをして

新作コインケース完成_f0204955_8345180.jpg
彫り込み加工後ニカワにて接着

新作コインケース完成_f0204955_77562.jpg
今回は5色展開

新作コインケース完成_f0204955_784744.jpg
小銭のあたる音を軽減するため裏部分も革張り。この段階でボタン受けパーツも取り付け

新作コインケース完成_f0204955_7112286.jpg
革部分は百合の紋章をイメージして穴あけ加工

新作コインケース完成_f0204955_714688.jpg
木部の下穴に合わせて革にも菱目打ちで下穴処理

新作コインケース完成_f0204955_7151031.jpg
糸は蜜蝋と松ヤニでロウ引き

新作コインケース完成_f0204955_7164113.jpg
先の丸まったかなり細い手縫針を使用。2本針にて木と革を縫製

針が抜ける瞬間がテコの原理で木が割れやすいので慎重に縫っていきます。
木と革を糸でしっかり縫い合わせるので木部も想像以上に強度がでます。

新作コインケース完成_f0204955_7202731.jpg
縫製後ヘリ落としでコバの処理

新作コインケース完成_f0204955_721233.jpg
木と革の層のコントラストを楽しむために色は入れず素仕上げ

以前、昔は革の床面をGommalaccaで仕上げていたというベテラン職人さんからの
話を活かしてコバの仕上げはGommalaccaでベースをつくりトコノールで艶出し。

新作コインケース完成_f0204955_7321863.jpg
オークの木型で革部分を立体成型

新作コインケース完成_f0204955_7341510.jpg
ちょっとパン屋さん気分。。。

新作コインケース完成_f0204955_7354238.jpg
新作コインケース完成_f0204955_7361337.jpg
完成です!!

天然素材を手仕事で5個均等に仕上げるというのは結構大変なこと。

プログラミングによるリピート作業では残念ながらそれぞれがバラバラに仕上がってしまいます。
それぞれの素材の硬さや磨きの吸い込み具合などをマニュアル作業でトリミングして
はじめて同じように仕上がって見えるんです。

"機械作業のように見えて機械ではできない手仕事"

自分の中ではとても意識していることの一つです。

少し雑なくらいの仕上がりの方がhand made感があっていいという作り手の方も多いですが
一番大切なのは美しいモノが出来るということ。

美しいモノをつくるための手段が機械であり手仕事のはずなのですが最近"hand made"
というのをコマーシャルに使いすぎる傾向があって少し気になります。。。

もっともっと美しいモノに溢れるいい時代になるような流れをつくっていければと思います。


お問い合わせ
mail@zouganista.com

工房
via dei cardatori 20r, Firenze (zona San Frediano)

New!! www.zouganista.com

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へにほんブログ村 インテリアブログ アンティーク・レトロインテリアへ
by lunapienabytaka | 2016-02-10 08:40

望月貴文/Takafumi Mochizuki 2014年、Zouganista(木象嵌細工職人)としてFirenzeに工房をオープン            工房住所:via dei cardatori 20r,Firenze


by lunapienabytaka
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31