満月の夜に思うこと。。。

ここ最近、イタリアの方からの仕事が少しずつ増えてきました。
修復、小物、額ものなどなど。
工房オープンからもうすぐ3年でようやくといった感じですがこの最悪の不景気の中、
フィレンツェに数多くいる職人の中でわざわざ外国人である自分のところに来るということは
よほど特殊な仕事か本当に良いものを求めています。

景気のいい時期であれば冷やかし半分ということもあるかと思いますが今は
そういうわけには行かず、常に最高の仕事が必要とされます。
イタリアの中でも特に口うるさいことで有名な地元フィレンツェの方々。
いい仕事も悪い仕事もあっという間に広まります。。。

修復などは特に絶対に失敗の許されない仕事なので綿密にシミュレーションをして
起こるであろう失敗のイメージを完全に払拭して作業工程をプランニング。
このプランニングが本当に重要でこれが出来るかどうかがプロとアマチュアとの
違いだと思っています。
シミュレーションがしっかり出来ていれば作業は体に染みついてきているのであまり意識を
しなくても手が動いてくれます。

ものすごい緊張感の中、身を削る思いで何とかこなしてきた様々な仕事。
日本では味わえないものばかりなのでイタリアにいる間にどんどん吸収していきたいと思います!

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# by lunapienabytaka | 2017-02-13 08:46 | Comments(0)

木象嵌による立体表現と透明感の表現

しばらく技術的なことを書いていなかったので少しまとめてみます。

木象嵌の表現方法は地方や時代によっていろいろありますが今回は立体表現と
透明感の表現方法について。


まずは立体表現。

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この一枚の柾目のウォールナットを使って球体を作ります。

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丸くカットをしてぐるっと回して少し角度を付けるだけで木目の方向の違いで円が浮き出ます。

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それに焼いた砂による焦がしでグラデーションを付けていくと、、、

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こんな感じになって影部分にも焦がしを入れるとより立体感が出てきます。


次に透明感の表現。

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ちょっと杢の入ったポプラの木を繊維方向を縦横1枚ずつ合わせてワイングラス型にカット

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左写真の液体部分を繊維方向の違うモノに入れ替えたのが右写真
微妙ですが磨き後にぐっと差が出ます。

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せっかくなのでマホガニーで赤も。
左写真、縦に木目の入った液体の水面部分だけを横の木目に入れ替えたのが右写真
これにより液体部分に奥行き感が加わります。

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この状態から焦がしを入れていくと、、、

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こんな感じでガラスと液体の透明感が表現できます。

接着後磨きまでの段階で焦げ目が若干明るくなるので少し濃いめに入れておくのがポイント。

絵画とは違ってグラデーションを入れられるところが限られてくるのでどのように
影を入れたいかによってカットするパーツの形も変わります。

いろいろな木の種類を使えばもっと表現は広がりますが木の特性を活かし技術を使えば
ほんのわずかな木の種類でもこれだけ絵を表現できます。

この焦がしの技術はルネッサンス前期の1300年代から続くものでこの時期に確立されつつ
あった遠近法の表現に多く使われていました。

焦がしの入れ加減や入れる場所などで絵に大きく差が出てくるので職人技の見せ所!!
また機会を見て技術的な部分もご紹介していこうと思います。


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# by lunapienabytaka | 2017-02-01 09:01 | 木象嵌細工 | Comments(0)

試行錯誤

ここ最近動き出したひとつのプロジェクト。
このプロジェクトは将来的にこういった方向に少しずつシフトしていきたいなと思っていたことが
一気にきた感じで自分の今の環境ではなかなか難しく試行錯誤しています。

思えばこの10年、試行錯誤の連続。
人生の回転速度を急速に早くしたためその遠心力で飛ばされそうになることもしばしば。。。
ただ、そのたびにいろいろな方と出会い大きな縁が出来ました。

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今回もなんとか乗り越えてまた新たな一歩に出来るようしっかり準備していきます!


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# by lunapienabytaka | 2017-01-24 09:09 | 工房 | Comments(0)

黒の魔力

氷点下の日が続くフィレンツェ、今年の冬はなかなか厳しい。。。
先週はpitti uomoがあったりとバタバタとしていますがオーダー仕事も着実に進めています。

イタリアのファッション関係の方からいただいたシガレットケースのオーダー。
普段から身の回りのモノは黒と決めているということでもちろんこのケースも真っ黒が希望。

こういった黒のみという方はけっこう多く、小物をつくっていても需要があります。

木で黒という黒檀・黒柿・ウェンゲやちょっと明るめですがローズウッドなど。

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左はウェンゲで右は今回使うローズウッド

黒といってもマットな仕上げや鏡面仕上げ、目潰しかオープンフィニッシュか、杢目の濃淡を
どう演出するかによって印象は全く変わってきます。

レンブラントやカラヴァッジョのような世界観の黒、千利休がこだわり抜いた黒などこの色には
魔力に近いような魅力がありそれに魅せられる人は時代を超えて多く存在します。

木という素材から黒の魔力をどこまで引き出せるか、自分でも楽しみです。


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# by lunapienabytaka | 2017-01-20 08:23 | 木象嵌細工 | Comments(2)

2017年は芽生えの年?

普段からあまり正月休みという習慣の無いイタリア。
周りの職人さんも今年はカレンダー通りに2日から仕事という方がほとんど。
ということで正月気分をほとんど味わうことなく私も2日からスタートしました。

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フィレンツェは昨日から一気に気温が下がって青空ですがとても空気が冷たいです。。。


年末年始で2017年のスケジュールを少しまとめようと思っていたのですがあまり進まず、、、
とりあえず参加してみようと思っているイベントのオフィスを訪ねてみることに。

運良くオーガナイザーに会えて参加の意思を伝えつつ近況などを話していると書斎に呼ばれ、
メモを見せてくれました。
彼のプロジェクトをリストにしたもので、その中に私の展示会をフィレンツェの某博物館でという
項目が入っていてびっくり!
2年前からプロジェクトの一つとして忘れ無いようにメモをしていたとのこと。
イタリア人の話なのでどうなるかわかりませんが様々な大きなイベントを企画している方なので
自分の頑張り次第でなんとかなるかもしれません。。。

何年もかけてじっくり種まきをしてきた事が無駄ではなかったかなと思える嬉しい年明けでした!


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# by lunapienabytaka | 2017-01-07 09:29 | Comments(0)