テーブル仕上げ中。

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マエストロが以前から準備していたテーブルを来週からはじまる展示会に合わせて仕上げています。

今回はマエストロの好みであまり白いメープルの木の部分の色を濃くしたくないとのことでgommalacca biancaをベースにして仕上げています。

通常のLucidatura(フレンチポリッシング)では普通のgommalacca(シェラック)を使用するのですがそうすると独特の黄色みのある仕上りになります。
それに比べてgommalacca biancaは塗っても仕上りの木の色があまり変わらず乾燥も早い。塗っていてちょっとべたっとした感触があり匂いもウレタン系の匂いがしていました。多分gommalaccaとウレタンの混合なのだと思います。


さてかなり分かりづらいので簡単にLucidaturaに使う道具をご紹介。


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まずは主役のgommalacca(ゴンマラッカ)

日本だとセラック?シェラック?と呼ばれるもので虫の分泌液から取れる樹脂でそれをアルコールで溶かして塗っていきます。
アルコールの色でピンクがかって見えますがgommalacca自体は黄色系のものです。
本などを見ると溶かす濃度がでているのですがマエストロいわく「Sentirlo!!(feeling)」だそうです。濃さも2種類準備して使い分けています。
一番右の黄色い液体が今回使ったgommalacca biancaです。


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次はgommalaccaを薄く伸ばして塗っていくためのtanpone(タンポーネ)

lino(リネン)の生地の中にlana(ウール素材)をいれてlanaだけにgommalaccaを染み込ませて下の写真のように丸めて少しずつ少しずつ伸ばしていきます。
染み込ませる量が重要で多すぎるとうまく伸ばすことが出来ずなかなか光ってきません。この微妙な分量も「Sentirlo!!(feeling)」です。
このtanponeもlinoの目の細かさで何種類かを使い分けます。
またアルコールが飛んでしまうとすぐに生地が硬くなってしまうので瓶の中に入れて保存します。


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最後はpomici(ポミチ)

辞書で調べると軽石という意味なのですが日本でいう木目の目地を埋める砥の粉でgommalaccaの表面を硬くし細かい隙間や傷、木目の目地などを埋めて平滑にする効果があります。
しばらくgommalaccaだけで磨いてベースを作ってそれからこれをほんの少しポンポンとたたくようにして粉を出しさらに磨きます。
そうすると手の感触も変わってきて目地が埋まっていくのが少しずつ分かってきます。
これも多すぎるとベースのgommalaccaがひび割れを起こしてしまったり細かい傷が出来たりしてしまいます。


すっかり長くなってしまいましたがこのlucidatura(フレンチポリッシング)は上記の道具を使って何十回、何百回と磨き続けてはじめてきれいな仕上りにすることが出来ます。なので日本の一般的な家具でこの仕上げが使われることはありません。
しかしこの何とも言えない柔らかな輝きと触感は一般的なウレタンやラッカー仕上げとは全く違うのでもし機会があればぜひ見てみて下さい。
ヨーロッパに残るすばらしい技術です。

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# by lunapienabytaka | 2009-04-17 09:47 | 修復 | Comments(3)

昨日の続き

今日も引き続き包丁ケース作り。

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昨日と比べてだいぶ形になってきました。でもこの写真では完成がどうなるかまだ良く分からないですね。
革もほぼ切り終わり穴あけも終了→手縫いなので縫う前に穴あけが必要。これがけっこう時間がかかるんです・・・

コンパスを使って等間隔に跡をつけてそれから菱切りで穴開け。かなり原始的な方法でやってます。
それでも縫ってみるとミシンで縫ったようにきれいに縫えます。
手縫いはミシンに比べて強度もあり、修理もしやすいという利点があります。
欠点はというとただひたすら時間と手間がかかるというところ。
でもなれるとけっこう楽しいです。

明日からはいよいよ縫い込みの作業です。
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# by lunapienabytaka | 2009-04-16 09:47 | | Comments(3)

もう一つの仕事

家具修復の修行のためにフィレンツェに来ているのですがそれとは別で革製品を総手縫いで作っています。


以前から革は好きでせっかくフィレンツェにいるので何か作ってみたいと思い、一ヶ月カバンの工房に通いました。そこで革のリュックサックを作ったのですがすっかりはまってしまい、その後友人に手縫いの仕方などを教わり道具を買い集めて今は自宅で地道に製作しています。
なかなか評判も良くオーダーももらえるようになり今では貴重な資金源になっています。


今は友人からオーダーをしてもらった包丁用バッグを製作中。
革とのにらみ合いも終わりやっと切り始めました。
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何とか今週末までに終わらせなければ・・・
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# by lunapienabytaka | 2009-04-15 09:41 | | Comments(0)

月に一度のお楽しみ

毎月Arezzo(アレッツォ)で行われるアンティーク市に勉強も兼ねて行くようにしています。
イタリアでも最大級のアンティーク市で毎回500店舗近くお店が集まります。
扱っているものも家具をメインに宝石、時計、照明、食器、書物にレコードなど様々。
ゆっくり全部見て回るとあっという間に一日が過ぎてしまいます。

そこで最近気になったものを何点かご紹介。

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1800年代半ばの収納でそれ自体の曲線も非常にきれいなのですがIntarsio(象眼細工)が非常に細かくしてありモチーフもモダンで新鮮な感じでした。


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これは古いものでは無いのですがSorrento(ソレント)で作られた宝石箱で開き方が独特でちょっと似たもの作ってみようかな?と思ってしまいました。


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アンティークの自転車で驚いたのは車輪が木製でした。コンディションも良かったのですが1800ユーロ?くらいしてました。


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ネズミ?の剥製。展示の仕方が面白かったのでつい写真を撮ってしまいました。


他にもいろいろなものがでているのでアンティークや家具にあまり興味の無い方でもけっこう楽しめると思います。毎月最初の土、日にやっているので時間が合えばぜひ行ってみて下さい。


ちなみに今回制作した北斎のテーブルもここで購入してその上に象眼細工を貼付けたものです。

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# by lunapienabytaka | 2009-04-14 06:11 | 修復 | Comments(0)

マエストロのお仕事

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1800年代フランスのグラス箱です。

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先日の食器棚と同様、鼈甲、真鍮、木の象眼細工がされていて修復前は鼈甲の欠損、真鍮の浮き上がり、木部の欠損などが見られました。
箱をばらしてヤスリで磨いて汚れを落とし、欠損部分の継ぎ足し。Gommalacca(セラック)によるフレンチポリッシングでの仕上げ。そして真鍮部分を接着し最後にもう一磨き。
先週バラバラの状態のものを組み立てて修復完了!!

アンティーク市ではたまに見かけるこのタイプの箱でもこんなにコンディションの良いものは見たことがありません。値段はだいたい2000ユーロくらいになるかな??とのことです。
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# by lunapienabytaka | 2009-04-13 10:06 | 修復 | Comments(0)