木象嵌による立体表現と透明感の表現

しばらく技術的なことを書いていなかったので少しまとめてみます。

木象嵌の表現方法は地方や時代によっていろいろありますが今回は立体表現と
透明感の表現方法について。


まずは立体表現。

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この一枚の柾目のウォールナットを使って球体を作ります。

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丸くカットをしてぐるっと回して少し角度を付けるだけで木目の方向の違いで円が浮き出ます。

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それに焼いた砂による焦がしでグラデーションを付けていくと、、、

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こんな感じになって影部分にも焦がしを入れるとより立体感が出てきます。


次に透明感の表現。

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ちょっと杢の入ったポプラの木を繊維方向を縦横1枚ずつ合わせてワイングラス型にカット

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左写真の液体部分を繊維方向の違うモノに入れ替えたのが右写真
微妙ですが磨き後にぐっと差が出ます。

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せっかくなのでマホガニーで赤も。
左写真、縦に木目の入った液体の水面部分だけを横の木目に入れ替えたのが右写真
これにより液体部分に奥行き感が加わります。

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この状態から焦がしを入れていくと、、、

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こんな感じでガラスと液体の透明感が表現できます。

接着後磨きまでの段階で焦げ目が若干明るくなるので少し濃いめに入れておくのがポイント。

絵画とは違ってグラデーションを入れられるところが限られてくるのでどのように
影を入れたいかによってカットするパーツの形も変わります。

いろいろな木の種類を使えばもっと表現は広がりますが木の特性を活かし技術を使えば
ほんのわずかな木の種類でもこれだけ絵を表現できます。

この焦がしの技術はルネッサンス前期の1300年代から続くものでこの時期に確立されつつ
あった遠近法の表現に多く使われていました。

焦がしの入れ加減や入れる場所などで絵に大きく差が出てくるので職人技の見せ所!!
また機会を見て技術的な部分もご紹介していこうと思います。


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by lunapienabytaka | 2017-02-01 09:01 | 木象嵌細工 | Comments(0)

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